メディカル・プロテオスコープはプロテオミクスのエキスパートです。プロテオミクスの技術開発と医学・生物学への応用を軸に事業を展開しています。また、整備した分析手法を研究機関向けの受託分析にも活かし、我が国のオミクス研究のレベルアップに貢献しています。

血漿/血清のプロテオミクス

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血漿/血清のプロテオミクス

 血液中の液体成分である血漿/血清は、バイオマーカー探索のターゲットとして現在までにさまざまなプロテオミクスのアプローチが採られています。当社では、血中の微量タンパク質を定量的かつ高感度で検出するために、血清アルブミンや免疫グロブリンなどの高濃度タンパク質を除去する手法を整備してきました。

分析の手順

 分析の最初に、血漿/血清に含まれる高濃度タンパク質群を除去します。すなわち、各タンパク質に対するモノクローナル抗体を充填したカラムに血漿/血清溶液を供し、溶出画分を次のプロテアーゼ加水分解のための試料とします。
 
 
分析例
 
 製薬企業との共同委受託研究で得られた成果をご紹介します(下図、 Nyberg F et al., PLoS One. 2011; 6(7): e22062.)。抗がん剤ゲフィチニブの副作用予測因子を患者血漿から同定しました。
 

図.プロテオームバイオマーカー開発の工程の一例

 
 ゲフィチニブ、製品名イレッサは、EGFRチロシンキナーゼの分子標的薬として開発され、我が国で最初に上市されました。しかしながら、処方された肺癌患者の数パーセントに間質性肺炎・急性肺障害 すなわちILD が発症することが報告され、安全性の評価と対策検討が進められました。そのなかで、開発元のアストラゼネカ社が実施した市販後臨床試験、ここではケースコントロール試験のひとつとして、ILDの危険因子を検討する探索的なバイオマーカー共同研究を実施しました。

 この共同研究では、血漿検体が採取できていた発症43例と非発症123例からLC-MS/MSを用いて個別にプロテオームデータを取得しました。

 ピーク強度の統計解析によってケースとコントロールの間で判別能が高いペプチドを41種類まで絞り込みました。これらのペプチドが帰属している計29種類の蛋白質が、ゲフィチニブ投与時にILD発症を予測するための候補蛋白質群です。こうして構築したプロテオミクスベースの指標は、喫煙歴などをスコア化した患者背景の指標と比べて感度と特異度ともにほぼ同等であることがわかりました。

  
おもに使用する分析機器と解析ソフトウェア
 
質量分析計
 Orbitrap シリーズ(サーモフィッシャーサイエンティフィック)
液体クロマトグラフ
 Ultimate 3000(サーモフィッシャーサイエンティフィック)
配列データベース検索
 Mascot Server Ver. 2.5.1(マトリックスサイエンス)
LC-MS/MSデータの計量比較解析
 Progenesis QI for proteomics (Nonlinear Dynamics, UK)
 
 
おもな納品物
 
分析報告書: 試料調製からデータ解析までの各工程を詳述します。分析結果への簡単な考察も加えます。
タンパク質/ペプチドの同定結果および計量値: 表計算ファイルにまとめたものを添付します。
 
 
分析の成功のために

・検体あたり200 μl程度の分注液を最低2本ご用意いただきます。1本はバックアップのため保存しておきます。分注量については事前にご相談ください。

・血漿の採取は実施手順中もっとも注意を要するところです。これから血液検体を集積する方には、BD社のプロテオミクス専用採血管をお勧めしています。また、この採血管のための採血手順書も用意しています。

・分析の成否は試料の状態にも依存しますので、最初は少数検体を用いた事前検討をお勧めします。

・臨床検体の場合は、分析のご依頼に当たって下記の事項を遵守いただくようお願いいたします。
– 所属機関の倫理審査委員会で分析の承認を得てください。
– 機関外への検体の供出の許可を得てください。

 

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